磨き体験用パーツの上手な磨き方
注※以下の内容は無断転用禁止です
◆ヘアゴムパーツは、文字(A/B)が書いてある面が『おもて面』です。
裏面に黒い点の印のあるパーツは、上下があるパーツです。
黒点が上になるように使用してください。
◆研磨セット内の欠品(ペーパー等)、貝パーツの初期不良(容易に割れてしまう)などが確認された場合は、ご連絡ください。欠品分の発送、貝パーツの交換をいたします。
メールtomoko._.tds_seamam@hop.ocn.ne.jp
ビーズやヘアゴムセットのゴム通し(釣糸)は失くしやすいので、使う時まで袋から出さないでください。
まず初めに、こちらのページで磨きのコツを確認することをお勧めします。↓
今回は、ネックレス用の磨きセットの中からオーソドックスな「丸型緑層残し片面仕上げ用パーツ」を使って紹介していきます。
片面仕上げ用なので、裏がツルツルであれば裏面は磨く必要はありません。
セット内容
パーツ・紐・ビーズ・研磨布・説明書・耐水ペーパー5枚
(オンラインショップでは別売りです)
その他に用意してもらう物 えんぴつ・雑巾・水容器・木台
基本的に上(貝の表面)から、褐色層→緑層→白層→真珠層の順番でできています。
夜光貝の殻はコブや段差がたくさんあります。
加工前の貝殻表面は表面がデコボコしているので、面出しをした時点で層の出方に差が出ます。
初めから膨らんだ部分は真珠層が出てきて、凹んだ部分は貝の表面部分の褐色層が残っています。
また、夜光貝は日ごとに成長するので、表面の褐色層には細かい成長線が見られます。
成長線
成長線の見える褐色層部分は、削り込まれていない貝殻の表面部分です。
成長線は細かい段差ではありますが、キズではありません。
平パーツの褐色層部分は凹んでいる場合が多いいです。
成長線(褐色層)を無理やり消そうと削りすぎると、全体が薄くなってしまったり、周りの緑層などの色模様が消えてしまいます。
不具合が出そうな場合は、無理に成長線(褐色層)を消そうとせずに作業を進めてください。
基本的な磨き方
各番手の詳しい磨き方は<磨き方説明書>を参考にしてください。
今回は緑色をできるだけ残すようにしていきます。
各層については各層の説明をご覧ください。
<ピンポイントに磨く>
赤丸部分に力を入れて、パーツを回転させながら真珠層より硬い緑、白層をざっと磨きます。
(通常20~30秒おきにパーツとペーパーを水でゆすぐのですが、
画像は撮影のため水につけていません。)
<広範囲に磨く>
各層の段差を無くし面を平均化させるために、ペーパーの持ち方をかえます。
あてるペーパーの面積を広くして、軽い力で仕上げます。
<側面を磨く>
側面は、台から少し突き出して磨くとしっかり磨けます。
≪磨きのコツ≫
緑層白層部分は一方向にばかり磨くと、引っかき傷のような直線的な深い傷をつけてしまいます。
その傷は、次の番手でとても消しにくいので、それぞれの番手が終わる前は、
軽い力で小さく円を描くように磨いてから次へ進んでください。
注意! 夢中になって削っていると、夜光貝を抑えている手の指や爪を、 サンドペーパー(紙やすり)でこすってしまい、 気が付かない間にケガをしてしまう場合があります。 削り作業は、指先に気を付けながら行ってください。 あらかじめ、テーピングやばんそうこうなどで保護しておくのもよいでしょう。 お勧めは、ばんそうこう。 人差し指の親指側と、親指の爪だけでも。 |
さあ磨いてみましょう
まずは200番からです
≪200番≫
(実際の番手は220~240番)
注意
この時点<200番>で真珠層を強く磨くとへこんでしまいます。
<200番>では軽くなでる程度にしてください。
オール真珠層のパーツや、穴の周り、
薄い部分やとがった部分は削りすぎに注意してください。
力を入れなくても、まんべんなく円を描くようにこすれば十分磨けます。
1円玉を二枚重ねた厚みが3mmです。
厚みが3mm以下の部分は400番から磨いてください。
右側だけ磨いてみました。
このような成長線を200番で消そうとすると、
周りの緑層が削れて消えてしまうので、ここでやめておきます。
一通り磨いたのでキズチェックです。
キズチェックをする前は、パーツを水で洗わずに水けをふきとってください。
削り粉が隙間に詰まって傷が見えやすくなります。
水けをふきとったら、風に当てるなどして乾燥させてください。
削り粉が詰まって白く見える部分が、大きな傷やへこみです。
水につけるとキズが見えなくなってしまうので、鉛筆でしっかり印をつけてください。
側面もチェック した所を集中的に磨きます。
チェックした傷を集中的に磨いてみました。
わずかに傷が残っていますが次の≪400番≫で消せる範囲なので次に進んでください。
大きな傷が消えて、だいぶ滑らかになりました。
400番に行く前に、気になるキズを鉛筆でチェックを入れておきます。
≪400番≫
200番と磨き方は一緒です。
パーツを回しながら、小さく円を描くように磨いてください。
真珠層を磨く力は控えめに。
400番終了。削り粉が詰まって白く見える部分は、成長線しか確認できません。
≪800番≫
この番手から真珠層を念入りに磨いてください。
もちろん緑層など硬い所は、それ以上に時間をかけて。
磨きのコツ
磨き忘れが無いよう全体をきれいに磨くには、鉛筆で全体を軽くなぞってください。
鉛筆の跡を消すように全体を磨いていけば、しっかり磨けます。
油性ペンなどで印を付けると、貝表面のごく僅かなヒビや溝にインクが入り込み、
跡が残ってしまいます
800番終了
この番手からキズのチェック方法が変わります。
強めの単体ライト(100ワットクラスの電球など)の下で、
ゆっくり角度をかえながら、磨き残しや深い傷を探します。
手触りや、つめ、鉛筆などでなぞってもわかることもあります。
心配な人は、全体を軽く磨き直してください。
≪1200番≫
基本800番と磨き方は一緒ですが、キズがますます見えづらくなっているので、
全体を何度も磨き直してください。
この番手からはいくら磨いても、層が薄くなったり、
形が変わってしまうことがないので、磨けば磨くほど後の仕上がりがきれいになります。
(とがったデザインなどは形が変わってしまうので気を付けてください 。)
1200番終了
ここまで来るとだいぶツルツルしているはずです。
画像ではわかりませんね。
≪2000番≫
あと少しです。
がんばってください。
磨きのコツ
一番細かい2000番でも、新品の状態は研磨力があります。
ペーパーの淵を当てて一方向にこすってしまうと、深い傷になってしまいます。
できるだけペーパーの真ん中を使って磨いてください。
2000番終了
2000番で磨き終わると、今まで見えなかった特徴がいくつか現れます。
単体ライトの真下で撮影すると、写真でも確認できます。
赤い丸の中に見える白いラインは、粉が詰まって白く見えるのではなく、
2000番の傷がライトを反射している光です。
周りの景色やライトが映りこんでいるのが確認できます。
矢印部分に見えるのは、真珠層自体の反射色ではなく、
プリズムによって分散した光が、真珠層に映し出されたものです。
光の三原色「赤、緑、青」に分かれています。
ペーパー作業終了です
画像では800番以降の違いが判りませんね。
わずかに確認できる違いは、2000番終了後、
矢印部分にライトが映りこんでいます。
次は仕上げ用研磨布です。
≪研磨布≫
袋から取り出す前に、必ず使用上の注意をお読みください。
注意
仕上げ磨き用の研磨布を袋から出す前に、手、パーツ、水容器、布、台などを水できれいに洗いましょう。
サンドペーパーの粒子が手や研磨布についてしまったら、磨きながらキズをつけてしまいます。
周りがきれいになったら、研磨布を袋から出し、持ちやすいよう四つ折りぐらいにします。
少し水で湿らせて磨き始めてください。
研磨布は水をつけすぎると研磨剤が落ちてしまうので、乾いてきたら湿らす程度にしてください。
時々、布を折り返し、研磨面をかえてください。
ひととおり磨いたら綺麗な布などでふいて、光に当てながらキズをチェックしてください。
磨けば磨くほどきれいになるので、頑張ってください。
研磨布は、袋に保管しておけばまた使えます。
研磨布使用後は、手を石けんと水でしっかり洗い流して下さい。
仕上げ磨き前。
矢印部分にぼんやりライトが映っています。
ライトの周りに映っている白いラインが、2000番の傷です。
ちょこっと磨いてみました。
カメラとライトが映りこんでいます。
一見きれいですが、
よく見ると、
無数の傷が、
2000番の深い傷かな。
この時点で、800番以前の傷があった場合。
研磨布でいくら頑張って磨いても、その傷を消すことはできません。
時間のある人は、ピンポイントに、1200番ぐらいから磨きなおしてください。
さらに10分間黙々と磨く。
ピッカピカです
手が映っています。映り込んだライトの周りには、傷は確認されませんでした。
アクセサリー作りに関しては、
を参考にしてください。 |
注※
以上の内容は無断転用禁止です
仕上がりは自己判断ですが、
磨けば磨くほどきれいになっていきます。
この体験で一番大事なのは、
自分で最後まで仕上げること!
時間を気にせず、ゆっくり丁寧に磨けば、
だれにでも、きれいに磨けます。
普段の生活では経験しない、
長時間の削りと磨き作業。
この非日常の作業の中から、
「物作りの楽しさ」と、
「最後まで仕上げる大切さ」を感じ取っていただけたら幸いです。
Seamam夜光貝