夜光貝磨き体験
上手な磨き方
※『夜光貝磨き体験セット』はSeamam独自のオリジナル商品です。
セット内容や説明書の内容の無断転用転載を固く禁じます。
◆ヘアゴムパーツは、文字(A/B)が書いてある面が『おもて面』です。
裏面に黒い点の印のあるパーツは、上下があるパーツです。
黒点が上になるように使用してください。
◆研磨セット内の欠品(ペーパー等)、貝パーツの初期不良(容易に割れてしまう)などが確認された場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。欠品分の発送、貝パーツの交換をいたします。
ビーズやヘアゴムセットのゴム通し(釣糸)は失くしやすいので、使う時まで袋から出さないでください。
まず初めに、こちらのページで磨きのコツを確認することをお勧めします。↓
<セット内容>
パーツ・紐・ビーズ・研磨布・説明書・耐水ペーパー5枚
(オンラインショップでは別売りです)
<準備するもの>
その他に用意してもらう物 えんぴつ・雑巾・水容器・木台
今回は、ネックレス用の磨きセットの中からオーソドックスな「丸型緑層残し片面仕上げ用パーツ」を使って紹介していきます。
<裏面について>
片面仕上げ用なので、裏面がツルツルであれば磨く必要はありません。
艶が無く、白く粉っぽい感じであれば、1200➟2000➟鏡面仕上げの順番で磨いてください。
<素材の説明>
基本的に上(貝の表面)から、褐色層→緑層→白層→真珠層の順番でできています。
各層については各層の説明をご覧ください。
もともと夜光貝の殻は、サザエと同じようにコブや段差がたくさんあります。
表面がデコボコしているので、削った部分に差が出ます。
初めから膨らんだ部分は内部の真珠層が出てきて、凹んだ部分は貝の表面部分の褐色層が残っています。
また、夜光貝は日ごとに成長するので、表面の褐色層には細かい成長線が見られます。
成長線について
成長線は細かい段差ではありますが、キズではありません。
成長線(褐色層)を無理やり消そうと削りすぎると、全体が薄くなってしまったり、周りの緑層などの色模様が消えてしまいます。
不具合が出そうな場合は、無理に成長線(褐色層)を消そうとせずに作業を進めてください。
基本的な磨き方
(画像は撮影のために水をつけていません。)
<ピンポイント磨き>
【各番手の前半の磨き方】
段差や大きな傷を消すために、貝パーツを少しずつ回転させながらピンポイントに強く磨きます。
注意:同じ指で磨き続けると痛くなってくるので、時々磨く指を変えてください。
この磨きは、引っかき傷のような直線的な深い傷をつけてしまいます。
直線的な傷は、次の番手でとても消しにくくなります。
次の番手に行く前は必ず<仕上げ磨き>を行ってください。
<広範囲に磨く>
大きなパーツや、硬い塊パーツの長時間の磨きなど。
あてるペーパーの面積を広くして、軽い力で磨きます。
<側面を磨く>
側面の磨き方は、台から少し突き出し、パーツを少しずつ回転させながら磨きます。
側面を、『真横』『斜め上(表側)』『斜め下(裏側)』の三段階に分けると、磨き残し無くしっかり磨けます。
三段階の場合、パーツを3周させるイメージです。
角を落として丸みを付けるように磨きます。
<仕上げ磨き>
【各番手の後半の磨き方】
それぞれの番手が終わる前は、軽い力で小さく円を描くように磨いてから次へ進んでください。
ピンポイント磨きの直線的な傷を消します。
貝パーツを少しずつ回転させながら、力を入れずに円を描くように磨きます。
撫でる様に軽い力で磨いてから次の番手に進みます。
<デザインパーツを磨く>
凹みや溝の形に合わせてペーパーを折り曲げて磨きます。
ペーパーを折り曲げると、粒子が落ちてしまい破れやすくなります。
折り曲げ作業は全体をしっかり磨いてから行ってください。
くり抜き部分の内側は、ペーパーを筒状に丸めて、棒ヤスリのように使うと磨きやすくなります。
注意! 夢中になって削っていると、夜光貝を抑えている手の指や爪を、 サンドペーパー(紙やすり)でこすってしまい、 気が付かない間にケガをしてしまう場合があります。 削り作業は、指先に気を付けながら行ってください。 あらかじめ、テーピングやばんそうこうなどで保護しておくのもよいでしょう。お勧めは、ばんそうこう、人差し指の親指側と、親指の爪だけでも。 |
まずは厚さチェックからです
平パーツの場合必ずパーツの厚さをチェックします
↓
さあ磨いてみましょう
今回は色模様をできるだけ残すように磨いていきます。
真珠層のパーツや、穴の周り、薄い部分、尖った部分は削りすぎに注意してください。
≪200番≫
(実際の品番は220~240番です)
<200番>で強く磨くと、柔らかい真珠層は削れ過ぎてへこんでしまいます。
真珠層部分は軽くなでる程度にしてください。
右側だけ磨いてみました。
このような成長線を200番で消そうとすると、周りの緑層が削れて消えてしまうので、ここでやめておきます。
一通り磨いたのでキズチェックです。
キズチェックをする前は、パーツを水で洗わずに水けをふきとってください。
削り粉が隙間に詰まって傷が見えやすくなります。
水けをふきとったら、息を吹きかけるなど風に当てて乾燥させてください。
削り粉が詰まって白く見える部分が、大きな傷やへこみです。
水につけるとキズが見えなくなってしまうので、鉛筆でしっかり印をつけてください。
側面もしっかりチェック して集中的に磨きます。
チェックした傷を集中的に磨いてみました。
わずかに傷が残っていますが、次の≪400番≫で消せる範囲なので<仕上げ磨き>をしてから次に進みます。
大きな傷が消えて、だいぶ滑らかになりました。
400番に行く前に、気になるキズを鉛筆でチェックを入れておきます。
≪400番≫
200番と同じです。
真珠層を磨く力は控えめに。 一通り磨けたら乾燥させて磨き残しのチェックをします。
白くカサついている所が200番の磨き残し部分です。
400番できれいに磨けると、白っぽさがとれて滑らかになります。
パーツを回しながら、小さく円を描くように仕上げ磨きをしてください。
きれいに磨いて次へ。
≪800番≫
この番手からは、目で見る傷のチェックはできません。
磨き方は、円を描くような<仕上げ磨き>をメインにしていきます。
綺麗に磨けてくるとペーパーの抵抗が小さくなり、削り粉が出なくなってきます。
撫でる様にやさしく仕上げ磨きして次の番手へ。
磨きのコツ
磨き忘れが無いよう全体をきれいに磨くには、鉛筆で全体を軽くなぞってください。
鉛筆の跡を消すように全体を磨いていけば、しっかり磨けます。
油性・水性ペンなどは絶対に使わないでください。
貝表面のごく僅かな隙間にインクが入り込み、跡が残ってしまいます。
800番終了
この番手からキェズのチック方法が変わります。
強めの単体ライトの下で、ゆっくり角度をかえながら、磨き残しや深い傷を探します。
映り込むライトのぼやけ方や手触りなどでわかることもあります。
心配な人は、全体を軽く磨き直してください。
≪1200番≫
800番と磨き方は一緒ですが、キズがますます見えにくくなっています。
この番手からはいくら磨いても、層が薄くなったり、形が変わってしまうことはありません。
全体を軽い力で何度も磨き直してください。磨けば磨くほど後の仕上がりがきれいになります。
とがったデザインなどは形が変わってしまうので気を付けてください 。
1200番終了
ここまで来るとだいぶツルツルしているはずです。
≪2000番≫
あと少しです。がんばってください。
磨きのコツ
一番細かい2000番でも、新品の状態は研磨力があります。
ペーパーの淵を当てて一方向にこすってしまうと、深い傷になってしまいます。
できるだけペーパーの真ん中を使って磨いてください。
最後の磨きはペーパーを水で洗わずに空磨きをします。
空磨きをすることでペーパーの目が粉で詰まり、2000番以上の細かい磨きが可能になります。
2000番終了
2000番で磨き終わると、今まで見えなかった特徴がいくつか現れます。
単体ライトの真下で撮影すると、写真でも確認できます。
赤い丸の中に見える白いラインは、粉が詰まって白く見えるのではなく、2000番の細かな傷がライトを反射している光です。
他にも、周りの景色やライトがぼんやり映りこんでいるのが確認できます。
矢印部分に見えるのは、真珠層に透過した反射色ではなく、細かな傷で分散した光が真珠層に映し出されたものです。光の三原色「赤、緑、青」に分かれています。
ペーパー作業終了です
画像では400番以降の違いが判りませんね。
わずかに確認できる違いは、2000番終了後、矢印部分にライトが映りこんでいます。
次は仕上げ用研磨布です。
≪鏡面研磨≫
最終仕上げ磨き用の『研磨布』(けんまふ)を袋から取り出す前に、必ず説明書の使用上の注意をお読みください。
仕上げ磨き用の研磨布を袋から出す前に、手、パーツ、水容器、布、台などを水できれいに洗いましょう。
サンドペーパーの粒子が手や研磨布についてしまったら、磨きながらキズをつけてしまいます。
周りがきれいになったら、研磨布を袋から出し、持ちやすいよう四つ折りぐらいにします。
研磨布を少し水で湿らせてから磨き始めてください。
研磨布は水をつけすぎると研磨剤が落ちてしまうので、乾いてきたら湿らす程度にしてください。
時々、布を折り返し、研磨面を変えます。
ひととおり磨いたら、綺麗な布などでふいて、光に当てながらキズをチェックします。
磨けば磨くほどきれいになるので、頑張ってください。
研磨布は、袋に保管しておけばまた使えます。
研磨布使用後は、手を石けんと水でしっかり洗い流して下さい。
鏡面磨き前
矢印部分にぼんやりライトが映っています。
ライトの周りに映っている白いラインが、2000番の傷です。
5分ほど磨いてみました。
カメラとライトが映りこんでいます。
一見きれいですが、よく見ると、
無数の傷が、
2000番で消しきれなかった、1200番の深い傷です。
この時点で、800番以前の傷があった場合、研磨布でいくら頑張って磨いてもその傷を消すことはできません。
時間のある人は、ピンポイントに、1200番ぐらいから磨きなおしてください。
さらに10分間黙々と磨く。
ピッカピカです
手が映っています。映り込んだライトの周りには、傷は確認されませんでした。
≪アクセサリー作り≫
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※以上の内容は無断転用禁止です
仕上がりは自己判断ですが、
磨けば磨くほどきれいになっていきます。
この体験で一番大事なのは、
自分で最後まで仕上げること!
時間を気にせず、ゆっくり丁寧に磨けば、
だれにでも、きれいに磨けます。
普段の生活では経験しない、
長時間の削りと磨き作業。
この非日常の作業の中から、
「物作りの楽しさ」と、
「最後まで仕上げる大切さ」を感じ取っていただけたら幸いです。
Seamam夜光貝