夜光貝の紹介
下記の内容は、長年の観察から導き出した独自の見解です。
学術的に正しいかは定かではありません。
<分布域>
日本国内では、種子島・屋久島・トカラ列島以南、奄美群島・沖縄本島周辺を中心に、八重山諸島までの温暖な海域に生息。
海水温が同じでも小笠原諸島には生息していない
国外での分布は、図鑑などでインド太平洋に分布とあるが、海外で夜光貝(国産の夜光貝と同種)の情報が無いため、海外での本種の生息状況は不明。
<生態>
腹足目リュテンサザエ科に分類される大型の巻貝 サザエの仲間で最大種
海藻類を主な餌とし、発達した珊瑚礁や、外洋に面した岩礁域などに広く生息する。夜行性で、暗くなると餌を探すために活発に動き回り、昼間はくぼみなどに隠れて動かない。
・生息する水深は、2~20mぐらいまで。
・10㎝以下の幼貝は、潮間帯(潮が引くと干上がる場所)のくぼみや、岩のすき間で1日中身を潜めている。
・大型のフグ類やエイから身を守るために、生体重量が1kgぐらいまでは、複雑な地形やくぼみを中心に生活する。
・生体重量が2kg以上になると外敵もいなくなり、開けた岩棚や深場に出てくる。
画像は5年目ぐらいの成貝(1kgほど)。
<成長>
・初夏~秋にかけて、大潮時や潮の流れが速い場所で産卵。
・孵化して2年で2cmほど、3年でピンポン玉ぐらい、4年でソフトボールぐらいまで成長します。
・孵化から5~6年で1kgを越え、8~10年で2kg、15年以上で3kgを超える個体もいる。
・貝殻の劣化具合から推測すると20年以上は生きるのではないかと思われる、
<夜光貝の食べ方>
貝柱の部分は薄切りにして刺身やバター炒め。
足の部分はとても固いので、圧力鍋で煮物や千切りにして味噌漬け等に。
刺身は生でもおいしいですが、半ボイル程度に火を通すと甘みが増して食べやすく衛生的です。
<生食には注意が必要>
捕ってから3日以内の元気な状態なら、生の刺身も非常においしく安全ですが、出どころや日数が不明のものは生食はあまりお勧めしません。
また、捌いて1日経ってしまうと、身はしぼみ、生臭さが出てしまうのでバター焼きなどがお勧めです。
今まで食中毒などは聞いたことがありません。(島では)
ただ、夜光貝は傷みやすく、取り扱いが雑だと、生きながらに身や内臓が腐ってくることがあります。
『10日以上活かしてある』
『炎天下や30度以上の場所で保管や移動をした』
『船の生け簀など酸素が十分でない場所に長期保管』
『伊勢エビなどと一緒に保管』
以上のような場合は、生食は控えたほうがいいでしょう。
内臓や筋肉が部分的に傷んでいる場合があります。
また、1週間以上餌を食べないと身が痩せてしまい味が悪くなってきます。
<貝の利用・歴史>
貝殻は昔から国内外で螺鈿(らでん)などの細工に利用されている。
奄美大島の1400年前頃の遺跡からは、大量の夜光貝の貝殻が出土し、貝匙(かいさじ)を製作していたと考えられている。
これらは、日本本土に運びこまれ、珍重されていた。
現在でも、螺鈿細工の材料として、また身近なアクセサリーとして利用されている。
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